研究分担者 |
伊津野 和行 京都大学, 工学部, 助手 (90168328)
清野 純史 京都大学, 防災研究所, 助手 (00161597)
澤田 勉 徳島大学, 工学部, 助教授 (20035645)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
亀田 弘行 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
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研究概要 |
本研究は,多数のアレ-強震記録等に基づいて,非線形性を有する地震時の地盤震動特性を実証的に検討し,工学的に有用なマイクロゾ-ニング技法を提案しようとするものである。本研究初年度である平成2年度では,以下の項目について検討・実施した。 (1)簡単な地盤パラメ-タを用いて,地震動強度を工学的基盤から堆積層を有する地盤に変換する手法が本研究代表者により提案されている。これは,多数のシミュレ-ション地震動に基づくものであったが,この変換手法(βーモデル)を我が国のアレ-観測記録デ-タベ-スに基づいてその妥当性・適用範囲等について実証的に検証した。その結果、非線形性の影響の少ない入力地震動の強度が低い場合において,βーモデルは平均的に実デ-タによく対応していることがわかった。ただし,この検討では,実際に重要となる入力強度が高い場合については結論は出せなかった。 (2)1989年ロマ・プリエタ地震において,多数の堆積地盤と解放基盤での貴重な強震記録が得られたため,これらに関連する基礎デ-タを収集しデ-タベ-ス化を行った。地盤資料が十分でないため,上記のβを直接検討することができなかったが,一方,新たな地盤パラメ-タを定義し,これらの実デ-タに基づく変換係数βmを提案した。これにより,入力強度が高い非線形性の影響を大きく受けた実デ-タに基づく地震動の変換手法〜マイクロゾ-ニング技法として提案できた。次年度においては,地震動のスペクトル強度についてさらに検討を加える予定である。
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