昨年度に構築した舗装のデ-タファイルを用いて種々の解析を実施した。昨年度は路面の供用性をPSIを用いて5段階のランクで評価していたが、コンクリ-ト舗装との併用性の比較を行うこと、また今後の経済性の評価への発展などを考慮して、MCIを用いた6段階のランクで評価を行うことに変更した。さらに、アスファルト舗装路面のMCIに関しワイブル分布を用いた破損遷移モデルを構築し、これによりデ-タを補完し、各交通区分に対する破損遷移確率を算出しなおした。 これを基にアスファルト舗装の供用性に関し、東北地方のデ-タを寒冷地のデ-タ、九州地方のデ-タを温暖地のデ-タとして用い、それぞれB、C、D交通区分について破損遷移確率を求め、供用寿命、信頼性などを評価し、地域間での供用性の比較を行った。 これらの解析の結果、つぎのような結論を得た。 1)寒冷地のアスファルト舗装は、わだち掘れの急速な進行によって破壊するのに対して、温暖地においてはひびわれによる破壊が卓越している。 2)供用寿命で比較すると、温暖地のアスファルト舗装の20年程度の平均供用寿命に対して、寒冷地では6〜15年と供用寿命は短い。 3)特に、寒冷地においてはB、C、D交通と交通区分が重交通となるほど供用寿命が顕著に短くなるのに対して、温暖地では交通区分による供用寿命の差はあまり大きくなかった。 また今後、これらの成果を用いて舗装の経済性の評価を行うための基礎的な検討として、舗装に関わる諸費用、舗装の経済性評価手法などに関して資料を収集し、動的計画法(DP)を用いた舗装の修繕計画の最適化の定式化を図った。
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