研究概要 |
アンボンドPCはり部機の最大耐力以降のフォ-リングブランチ領域を含む終局時の耐荷性状を検討するため、断面幅×断面高×全長=15×20×200cmの単純はり供試体において、鋼機指数qp=Ppfpy/fc^^′=0.15〜0.3(Pp:PC鋼機比,fpy:PC鋼機降伏点,fc^^′:コンクリ-ト圧縮強度)及びqp+qs=Ppfpy/fc^^′+Psfsy/fc^^′=0.15〜0.3(Ps:普通異形鉄筋比,fsy:鉄筋降伏点)の範囲で各3水準を選定したフルPCとパ-シャルPCを対象とし、i)PC鋼機(鋼棒)の付着の有無,ii)コンクリ-ト圧縮強度(400,700Kgf/cm^2),iii)載荷点(スパン170cmの2点集中載荷でせん断スパン長50cm,70cm)を主要因とした合計22体について静的載荷試験を実施し、荷重ーたわみ関係(設備備品費で購入したXーYレコ-ダ-を使用して測定)、曲げモ-メントー曲率関係,荷重ーPC鋼機・鉄筋・コンクリ-トひずみ関係などを測定した。 本研究の結果,i)アンボンドタイプのPCはりはボンドタイプに較べると,最大耐力以前の部機剛性は低下するものの、荷重ーたわみ曲線や曲げモ-メント曲率曲線のフォ-リングブランチ領域での耐力低下勾配はむしろ緩やかとなり部機靭性がすぐれていること,ii)アンボンドタイプでもボンドタイプと同様に700Kgf/cm^2程度の高強度コンクリ-トの使用によって部機靭性がかなり向上すること,iii)適量の普通異形鉄筋の配置はアンボンドPCはりの曲げひびわれ分散性状や終局時耐荷性状を改善する上で非常に有効であること,iv)アンボンドPC鋼機の荷重による最大耐力までの引張応力増分ΔδpuはボンドPC鋼機に較べるとかなり小さいが,これはfc^^′,Pp,Psによって著しく影響されること,iv)アンボンドタイプのΔδpu及び最大曲げ耐力はPC鋼機に対する付着係数として0.2程度の値を採用するとかなり精度よく算定できることなど、本研究課題に関していくつかの有用な知見を得ることができた。
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