研究概要 |
再生骨材を用いたコンクリ-トの品質は,粗骨材として使用する再生骨材の品質によって左右されることがある程度明らかとなったので,本年度は主に,再生骨材を混合使用した硬化コンクリ-トの性質を明らかにし,さらに,2年間の研究から再生骨材の使用限度について検討した。その結果,以下のことが明らかとなった。 1.再生骨材の混合割合を変化させたコンクリ-トの中性化促進試験を5%CO_2の恒温恒湿槽で実施した結果,富配合のコンクリ-トでは再生骨材混入率による差は明らかでないが、貧配合では再生骨材の混入率が高いほど中性化深さが大きくなる傾向が認められた。 2.コンクリ-トの乾燥収縮および圧縮クリ-プひずみは再生骨材混入率の増加とともに増大する。乾燥収縮は再生骨材100%の貧配合のコンクリ-トの場合,再生骨材を用いない場合に比べて長さ変化率で200×10^<ー6>,質量減少率で1%大きい。単位圧縮クリ-プは再生骨材混入率100%の場合でも10×10^<ー6>以下であり,通常の値である。 3.再生骨材を用いた鉄筋コンクリ-トはりのひびわれ発生荷量は再生骨材混入率50%では普通砕石コンクリ-トと同程度である。鉄筋の降状荷重は再生骨材混入率100%においても普通砕石コンクリ-トに比べ差は認められないが,終局耐力は再生骨材の混入による強度低下により10%程度低下した。しかし,再生骨材を100%使用してもコンクリ-ト強度を普通砕石コンクリ-トと同程度に保てば耐力は同程度と考えられる。 4.2年間の研究を総括すると,再生骨材をコンクリ-トに用いる場合,その品質に応じて混入率を選択し,所要の強度や耐久性を有するコンクリ-トを製造することが重要である。これまで実施した研究の結果から,普通コンクリ-トと同程度に扱える再生骨材の混入率の限度は30%程度と考えられる。
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