研究概要 |
本研究の主な目的は、需要変動型の利用者均衝の概念を導入して,ODパタ-ンが交通サ-ビス水準に応じて内生的に決まることを前堤にした道路網の最大容量計算法を新たに開発し、最大容量を与えるOD交通量を発生集中エンドで集計することにより、都市内ブロック単位の最大容量を求め、ネットワ-クの容量からみた都市開発の上限値の推計方法を示すことにある。 平成2年度は、ODパタ-ンの変化を内生化した最大容量の計算法および開発基準値の推定法に関する方法論的研究を行った。 (1)既存文献・資料より、都市・地域計画における開発基準設定の考え方とその方法に関して、ネットワ-ク条件の組み込み方法を整理した。 (2)ODパタ-ンの変化を内生化した最大容量の計算法を開発するために、交通量配分シミュレ-ションを用いる従来の計算法に改良を加え、OD需要変動型の利用者均衝問題の計算法を最大容量計算法に組み込む方法を示した。 (3)最大容量を与えるOD交通量をトリップエンドで集計することにより、都市全体の容量を都市内ブロック単位の容量に変換する方法を検討した。 (4)ブロック単位の開発基準値の設定法として、土地利用指標から発生集中交通量を推計する過程を逆方向に操作することにより、ブロック単位のトリップ数を土地利用指標で表わされる開発基準値に変換する方法を示した。
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