本研究は、我国でも多く採用されてきているオキシデ-ションディッチ法による有機物、窒素、リンの同時除去に関する設計、運転法に関する基礎的検討を行なったものである。 まず、都市下水を対象に間欠曝気連続処理実験を行なった。BODーSS負荷を0.06(kgBOD/kgMLSS・日)とし間欠曝気条件を種々に変化させた実験から、サイクル時間を60分程度以下、好気時間比を0.3〜0.6となるように運転することにより、有機物、窒素、リンとも80%以上の除去率が得られることを明らかにした。次に、BODーSS負荷を0.05、0.1、0.20(kgBOD/kgMLSS・日)の3通りに変えて実験を行ない、有機物とリン除去は間欠曝気を行なっても負荷の影響は胎ど受けず80〜90%以上の除去率が得らること、窒素除去に関しては負荷の増大とともに硝化菌がWASH OUTし除去率が低下するので、80%以上の窒素除去率を得て有機物、窒素、リンの同時除去を行なうには、BODーSS負荷を0.05以下になるように設計・運転する必要があることを明らかにした。また、流入リンは余剰汚泥として系外に排出・除去される、汚泥内リン含有率は負荷によらずほぼ一定で2〜3%程度である、沈殿池での汚泥からのリン放出は認められない、などの知見を得た。更に、基礎実験から、間欠曝気方式では、好気時におけるリン摂取、無酸素〜嫌気時におけるリン放出が速やかに生じるので、曝気終了時に沈殿池へ移送することにより、リン除去の高効率化、安定化が可能であることを提示した。また、有機物除去、硝化・脱窒・汚泥増殖まで考慮した動力学モデルによりリン除去を含めた処理効率の評価と設計、運転操作条件の検討が可能なことを示した。
|