研究概要 |
本年度は,(1)噴流攪拌固液分離槽(JMS)の操作条件と下水処理効率の関係,(2)上向流バイオフィルタ-(UBF)の下水処理効率,(3)JMSとUBFを組み合わせた下水処理システムによる下水処理効率,について検討した。都市下水を原水とする実験を行い次のような結果を得た。(1)について:長さ240cm,巾30cm,深さ85cmの装置による実験を行った。水面積負荷26m/日,多孔板間隔20cm,噴流速度7.5cm/秒の操作条件において以下のような処理効率を得た。Al添加率10ppmの場合;TOC除去率=60%,SS除去率=90%,全リン酸除去率=90%,Al添加率5ppmの場合;TOC除去率=40%,SS除去率=70%,全リン酸除去率=60%。 (2)について:高さ85cm,底面積23×23cm^2のUBFによる実験を行った。水理学的滞留時間を5時間に固定し,通気量を流入下水量に対して,1倍とした。この場合,槽内のDO濃度は1.5〜2ppmとなり,以下のような処理水質を得た。TOC=15ppm,DOC=10ppm,濁度=25ppm。この操作条件では硝化はほとんど生じなかった。 (3)について:JMSとUBFを直列に連結した実験を行い,以下のような結果を得た。JMSは水面積負荷26m/日,多孔,間隔20cmとして操作した。JMSへのAl添加率を5ppmとし,UBFへの通気量を流入下水量の1倍,水理学的滞留時間を5時間とした場合,UBF内のDO濃度は約4ppmとなった。TOC濃度もJMS流入水で約90ppmであったが,JMS流出水では約40ppm,UBF流出水では約20ppmとなった。濁度,とSSについては,UBF流出水では10ppm以下となった。
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