1.室内実験による検討 室内実験では、装置の都合上直径50cm円形槽を用いて検討した。 (1)水槽への流入条件には、流入水量と流入速度とがある。この場合、流入断面積が決まれば上記の2項目は1つの関係となる。従って種々の流入条件が考えられるので、流入水のエネルギ-を流入水量と流入速度を加味した仕事率(Watt)で評価した。その結果、流入水の仕事率と槽内の円周方向の流速との間には、片対数で2次曲線の関係があることを明らかにした。 (2)回転体を回転させたときの回転体表面の速度と槽内の流速との間には、半径をを関数とした関係式があることを明らかにした。 (3)槽底面上0.1cmにおける中心方向の流速は水面勾配の1/2乗に比例することを実測により明らかにした。このため、流入水と回転体による仕事率が、それぞれ、5Wattおよび1Watt程度の条件で沈殿物を効率的に中央に集めることができる。 (4)水面付近の流速は、主流の流速のほぼ0.9倍であることを実験結果から明らかにした。 (5)沈降速度の異なる3種の沈殿性トレ-サ-を用いて、沈降速度が除去率に与える影響について測定した。 しかし、実験回数の不足のため、相似則を加味した除去率の関係式を求めるには至らなかった。 2.実施設での測定 (1)高松市の雨水ポンプ場の吐き口に設置した直径9mの実施設において、流速分布を測定し、中心方向の流れが発生していることを確認した。 しかし、水量の不足から、測定を途中で断念せざるをえず、流入速度等を変えた測定はできなかった。 (2)砂の除去量および除去された砂の槽底面の分布およびその粒度分布を求めた。
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