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1990 年度 実績報告書

漁網を用いた接触曝気槽によるウイルスの除去

研究課題

研究課題/領域番号 02650387
研究機関摂南大学

研究代表者

金子 光美  摂南大学, 工学部, 教授 (50083738)

研究分担者 南部 敏博  岐阜県, 衛生研究所・理化学第一部, 専門研究員
キーワードウイルス / 大腸菌フア-ジ / 接触曝気法 / 小規模汚水処理装置
研究概要

病原微生物管理が行き届きにくい小規模汚水処理装置での微生物制御を目的として,汚濁物質の除去に合わせてウイルスを維持管理が容易な方法によって除去するための研究を行った。処理は汚泥管理の容易な嫌気ろ床接触ばつ気法で行い,まず装置のBOD除去と負荷との関係を把握した。BOD200mg/lの汚水についてBOD負荷0.01〜1.7kg/m^3・日の範囲であれば,流出水のBODを20mg/l以下にすることができることがわかった。
生活雑排水対策推進指針等で示されるBOD43g/人・日,水量250l/人・日を基準とし,さらに水量をその1.5倍量にしたものの2系列でウイルス除去実験を行った。ウイルスは指標ウイルスとして大腸菌フア-ジQβを使用した。まず対照実験として生物が存在しない系にフ-ジを添加して吸着,自然減衰の程度を把握した。その後,各系列にフア-ジを633PFU/mlの濃度にして人工下水を流入させた。すると嫌気第一槽においてフア-ジが数倍に増加した。とくに負荷の高い系列では数百倍も増加した。ウイルスは宿主特異性が高いはずで,人工下水を用いたこの実験系では原因がわからなかったが,宿主大腸菌が嫌気第1槽で増殖していることがわかった。その大腸菌の種について目下同定中である。嫌気第2槽,曝気槽と流れるにしたがって漸減するが,宿主菌の増殖の影響でその速度は顕著でない。
大腸菌フア-ジは腸管系ウイルスの指標として優れていると掲げられているものである。そこでフア-ジQβを使用したが,嫌気的過程でウイルスが増殖するとは予想していなかった。この解明に追われて研究の初期の目的達成が大幅に遅れる結果になったが,逆にそのような現象から,ウイルス監視,指標性に一つの視点を得ることができた。このように装置でのウイルス収支がとれなかったが,別のウイルスで試みる予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 南部 敏博: "接触ばっ気法による大腸菌フア-ジの除去" 日本公衆衛生雑誌. 37. 162-162 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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