研究課題/領域番号 |
02650392
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小池 迪夫 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (40001143)
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研究分担者 |
橋田 浩 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (20175532)
田中 享二 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (40016829)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | コンクリ-ト / 仕上げ材 / 剥離 / 細孔空げき構造 / 水分 / 接着 |
研究概要 |
下地コンクリ-トの表層特性と仕上げ材のはく離性状の関係を明かにするために行った本研究で得られた知見は以下の通りである。 1.高水セメント比、若材令のコンクリ-ト表層ほど大きな径の細孔空げき量が多いため透水性は大きい。しかし、浸透圧が生じる場合の水の移動は、大きな細孔空げきでの水の移動と、小さな細孔空げきによる半透過特性が相互に関係するため、水セメント比、材令による差異は一概には言えない。 2.若材令から乾燥されるコンクリ-トほどその表層は極端に粗い組織となる。したがって、十分養生してから乾燥させることにより、コンクリ-トスラブ表層の透過性は減少する。 3.コンクリ-ト空げき内の水分保持状態は細孔空げき構造および乾燥度により異なる。大きな細孔空げき量の多い組織の粗いコンクリ-ト表層は、高湿度にも拘らず、非凝縮空げき量が多く、結露等が生じた場合水分が集積しやすく、水も移動しやすいと考えられる。 4.はく離再現実験の結果、はく離は環境温度一定条件では生じにくく、仕上げ材、コンクリ-ト間で温度勾配があり、結露しやすい場合に発生する。浸透圧の生じないラテックス系の接着剤では、コンクリ-ト表層の組織が粗く、乾燥度の低いものにはく離が生じた。一方、浸透圧の生じるエポキシ系の接着剤の場合、乾燥度低いものほどふくれが生じやすかったが、水セメント比、材令による違いは複雑である。これらの結果は、1.〜3.で述べたコンクリ-ト表層の基本特性でほぼ説明できると思われる。
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