今年度は、以下の二つの作業を行った。第一は、東アジアで19世紀に活動していた外国人建築家及び土木技術者の氏名を当時の人名録から拾い出して、イギリス王立建築家協会雑誌およびイギリス土木技師学会雑誌の死亡録から経歴を明らかにした。その一部は、イギリスの建築関係雑誌である。"ア-キテクチャ-・ヘリティジ"誌に発表した(5月出版予定)。これらの中には、ウィリアム・キッドナ-にように本国でも大きな活躍をした建築家もおり、資料収集情報交換を通じてイギリス人研究者との共同体制が生まれつつある。 第2に、東アジアの初期イギリス領事館、公使館などの建設経緯を整理し、二部に分けて建築史学に発表した。この中で、下関領事館(現下関博物館)と旧長崎領事館(現長崎児童科学館)が上海工務局の技師長コ-ワンによって設計されたことを明らかにした。
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