研究課題/領域番号 |
02650438
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
藤本 康雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027772)
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研究分担者 |
西田 雅嗣 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80198473)
竹内 次男 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 助教授 (30069827)
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キーワード | 西洋中世建築図面 / ロ-マ尺・カロリング尺 / 中古古代尺・商尺 / 天平尺 / 難波宮 / ヴィラ-ル・ド・オヌク-ル / シト-会教会堂 / シルクロ-ド |
研究概要 |
以下のような研究成果を得た。 1)西洋中世建築図面の収集:藤本研究室、本学図書館所蔵の西洋建築史関連雑誌・図書に所載の建築図面を再調査・収集し、それらのファイルを作成した。東京大学建築図書室、日本建築学会、広島大学建築図書室について同様の調査を行った。 2)デ-タファイルの作成:建築図面の主要のものについて、フロッピディスクに入力、デ-タファイルを作成し、常時検索可能に整理した。 3)建築史研究に有効な資料として“Gazette des beaux arts"の旧巻136冊のマイクロフィッシュを入手、建築図面の収集を行った。 4)研究成果の公表:著書“ヴィラ-ル・ド・オヌク-ルの画帖に関する研究"を公刊した。藤本が別途交付を受けた科学研究費補助金(研究成果公開促進費)により、中央公論美術出版から出版。画帖全図版を含む388ペ-ジのもので、既製原稿に、本研究による建築図面の集成・解析の成果の一部を付加、公表した。さきに作成したランス羊皮紙図面の英文報告書についても、さらに仏文訳としてこれに加えた。藤本の年来の研究に一時期を画し、また斯界に有効な資料となる意義を持つ。 別途、本研究費による独自の成果として、諸図面の建築尺度の解析を進めた結果、ロ-マ尺・カロリング尺の多用が再確認され、古代尺度や中近東、さらに中国・日本の古代尺度と比較検討により、諸尺度間の数学比例的対応が明らかになり、7〜8世紀の難波宮造営尺に進ずる、尺度のシルクロ-ド的系譜が推測されるに至った。 また、研究分担者西田も、自身の奨励研究費と併せ、シト-会教会堂建築図面の解析研究を行い、キリスト教義理念に基く正三角形図面による構成手法の重用を明らかにした。
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