研究概要 |
垂直上昇管に電極プロ-ブを挿入し,固液混相流の粒子濃度の変動成分の測定を行ない,スペクトル,平物エネルギ-,インテグラルスケ-ルで乱れ成分を整理した。以下に得られた諸結果の概要を示す。 (1)解析周波数の選択 プロ-ブを流れに挿入するために発生する伴流の周波数領域を決定するために,円断面と矩形断面を持つ2種のプロ-ブの比較実験を行なった。両プロ-ブでスペクトルの分布値が共通する領域は波数(2πf/u)で320以下の領域である。従って,この領域以下で解析を行なった。 (2)エネルギ-スペクトル エネルギ-は波数の増加とともに減少する。管壁から管中央へ向かうとエネルギ-は減少する。エネルギ-の差異は波数が約100以下で明瞭になる。 (3)平均エネルギ- 粒子径の増加により平均エネルギ-は増大する。また粒子濃度の増加によっても平均エネルギ-の増大が顕著にあらわれる。平均流速による影響は壁近傍の速度勾配の大きい領域であらわれ,平均流速の低い流れ程平均エネルギ-は大きい。 (4)インテグラルスケ-ル インテグラル(種分)スケ-ルは,速度が増加すると大きくなる傾向になる。管内の位置の影響は,エネルギ-の分布と同様に,管中央で最小値を持つ。本実験で使用した管(径51mm)では,インテグラルスケ-ルは1〜3cm程度である。
|