研究概要 |
1.三軸応力状態での岩石の変形,破壊挙動に対する時間依存挙をまず検討するため花崗岩の試料を用いて,側圧10,20,30MP_aの3種類の応力状態に対して,各々0.5,1,2,4×10^<-6>/secの4つの歪速度で実験を行った。その結果,ある基準とする歪速度での破壊応力や破壊歪で正規化を行えば,従来一軸圧縮試験で用いられているビンガムモデルによる定式化が三軸応力状態についても適用できることがわかった。このことは等方圧力成分の時間依存性は小さく無視できることを示している。 2.三軸応力状態で破壊した試料をその状態で一旦安定な状態に保ち,この試料にさらに変形を加えることによって破壊後領域で変形強度特性を検討できるシステムを製作した。 3.この試験方法により,側圧を10,20,30MP_aの3種類の応力状態に対して,軸方向歪速度を1,2,4×10^<-6>/secの3種類について各々の実験を行った。その結果,せん断試験における場合と同様に一定の変形の後,残留強度を示すことがわかった。 4.つぎに,残留強度を示している状態で変位を止め,応力緩和試験を行い,時間経過に伴う応力低下のデ-タを約3時間にわたり計測した。これらのデ-タを検討した結果,残留強度で正規化を行えば,側圧状態の違いにかかわらずほぼ同じ緩和曲線となることがわかった。さらに,その特性はバ-ガ-スモデルで表現できることが明らかとなった。 5.応力緩和から得られる特性を残留強度に至る変形挙動にもあてはめたところ,バ-ガ-スモデルにスライダ-を付加すれば,この領域の特性を表現できることがわかり,破壊後挙動の特性としてこのモデルで統一的に説明できた。
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