1.比抵抗断面画像解析装置を作成した。この測定装置は、電流送信ユニット、電位差受信ユニット、電極切替装置、及び測定槽より構成されている。後述する面像再構成ソフトウェアは正方形断面に対応しているため、測定槽は一辺11cmの正方形とした。この測定槽には白金によって任意の電極配置を設定できる。 2.昨年度に開発した画像再構成ソフトウェアを検証するため、種々の2次元モデルを用いた数値実験により、モデルの比抵抗分布を再現できるかを調べた。その結果によれば、塊状の比抵抗構造については再現精度は良好であったが、き裂状の低比抵抗異常体に対しては実際より幅広く解析されることがわかった。 3.擬似岩石及び岩石試料を用いた実験を行った。擬似岩石は、測定槽を寒天で満たした中に、き裂を模した銅板を入れたものである。岩石試料は10cm×10cmの正方形(厚さ2.5cm)に整形した砂岩に人工的にき裂を入れ、これを水道水で満たした測定槽に設置した。再構成された画像断面は、いづれの場合も、き裂は実際の幅よりもかなり大きいが、その形状はほぼ再現された。使用した解析ソフトウェアには計算の安定化を図るため平滑化制約を組み入れているが、これが分解能を制限していると考えられる。今後は、この点について検討すると共に、分解能を向上するための測定仕様(例えば電極配置)について研究する計画である。
|