研究課題/領域番号 |
02650456
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
糸井 龍一 九州大学, 工学部, 助手 (50108768)
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研究分担者 |
神野 健二 九州大学, 工学部, 助教授 (80038025)
福田 道博 九州大学, 工学部, 教授 (40038584)
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キーワード | 干渉試験 / カルマンフィルタ- / 解析方法 / 地熱貯留層 |
研究概要 |
地熱干渉試験の解析においてもカルマンフィルタ-を適用し、貯留層の未知のパラメ-タであるトランスミッシビティ(T)とストラティビティ(S)の最適値を推定するための手法およびこれをパソコン上で実現するためのプログラムを開発した。解析には半無限の広がりを持つ貯留層に対して求められたラインソ-ス解を用いるが、これは2つのパラメ-タ(TとS)に対して非線形である。そこで以下の2つの方法を用いて解を線形化し、カルマンフィルタ-を適用した。 1.対数変換したTとSを状態変数とする。 2.解をTとSに関しテ-ラ展開する。 これらの方法を用いて既存のデ-タを解析した結果以下のことが明らかとなった。 1の方法ではTとSの初期値が最適値と数オ-ダかけ離れていても推定過程において推定値が発散しない。しかし最終推定値の精度は初期値と最適値のずれが大きいほど良くない。この場合、最終推定値を初期値として与えて再度推定を行う過程を数回反復させることにより最適な推定値を得ることが可能である。一方、2の方法では、初期値を最適値との差が1オ-ダ以内となるように与えると推定の初期の段階で最適な推定値を得ることが可能であり、1の方法に比べ優れている。しかし、最適値から大きく離れた初期値を与えると推定値が途中で発散する場合があり、初期値に関する信頼性のある情報がない場合は本方法の適用は難しい。このようなケ-スにおいても本解析法を適用可能ならしめるためには、まず初期のいくつかの観測値を用いて1の方法でパラメ-タ推定を行い、ある程度改良された推定値を2の方法の初期値として用いて推定を行うように手法を改良する必要がある。
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