研究概要 |
前年度までに開発したカメラの配置法,粒子の3次元位置測定法,水中物体を水槽外部から計測する方法などのアルゴリズムをプログラムし,試験計測を行った. 本年度は,ビデオカメラの設置装置と3次元の粒子分布モデルを製作し,粒子の3次元位置と移動量の計測を行って計測システムの動作を確認した.次に,モデルを水槽中に置いた場合の計測を行って,水中の粒子の運動計測ができるようにシステムとアルゴリズムの調整を行った. この時点で,粒子の3次元位置を計測するのにカメラ2台のステレオ計測では30〜40個の粒子の3次元位置しか計測出来ないことが分かったため,当初の予定を変更してカメラを3台使用するシステムに改造することにした.これに伴って,3台のカメラを同期して使用できるように同期装置とカメラの設置台を改造し,もう1セットのカメラと画像ボードを購入する必要が発生した.しかしながら,予算上から画像ボードは購入出来ないため,3台目のカメラの画像は一旦VTRに記録して,後で対応する画像を捜し出してデジタルに変換する手法をとったため,計測の能率が著しく低下してしまった. このシステムを用いて比較的空気吹き込み流量の少ない実験条件で撹拌流れを撮影し,これを試験画像データとして3次元速度ベクトルを計測し,水槽内の流動の速度ベクトルを得た.しかしながら,上述のようにデータの取り込みが連続的に行えない状態のため十分に系統的に実験を行ってデータを蓄積するまでには至らなかった.今後はもう1系統の画像取り込み系を増設して,実用的なシステムとする予定である. 水槽の底部と表層近傍の渦領域の画像を解析して速度分布を計測した結果,解析アルゴリズムの性能と計測システムの測定精度は目標を達成していることが確認された.
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