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1990 年度 実績報告書

鉄族金属共存下におけるZnのUnderpotential Deposition

研究課題

研究課題/領域番号 02650485
研究機関九州大学

研究代表者

秋山 徹也  九州大学, 工学部, 助教授 (10136517)

キーワード電気めっき / 合金電析 / アンダ-ポテンシャル析出 / 異常型共析
研究概要

本年度は,亜鉛ー鉄族金属系において種々の電解条件を変化させ亜鉛および鉄族金属析出の部分分極曲線を測定し,亜鉛のUnderpotential Depositionが起こる条件を明確にすることを目的として実験を行なった。
まず,硫酸塩浴からの亜鉛ーニッケル合金析出の場合,Underpotential Depositionの発生に最も効果があるのは浴温の上昇と浴中の鉄族金属イオン濃度比の増加であった。すなわち,浴温が室温付近の低い場合は亜鉛のUnderpotential Depositionは分極曲線上では認められるがその場合の電流効率は極めて低く陰極表面にも電着物を肉眼で確認することは困難であった。しかしながら,浴温を上昇させることによりUnderpotential領域の亜鉛の析出速度もOverpotential領域のそれとほぼ同程度のものになり,また金属光沢を呈する析出物が得られた。このUnderpotential Depositionに及ぼす浴温の効果は,浴中の鉄族金属イオン濃度比の増加により一層顕著なものとなり,浴温80℃,Zn^<2+>/Ni^<2+>=1/20の場合にはUnderpotential領域でこの亜鉛濃度に相当する限界電流密度が観測された。亜鉛のUnderpotential Depositionは同じ鉄族金属である鉄およびコバルトと亜鉛の共析において観測されたが,亜鉛の析出電位が鉄族金属の析出電位より貴な値を示すことはなかった。
一般に本系のような異常型共析においては亜鉛の存在により鉄族金属の析出電位が亜鉛の平衡電位付近まで大きく分極しその結果亜鉛の優先析出が起こっているが,亜鉛のUnderpotential Depositionはこの分極した鉄族金属析出を本来の電析電位に復極させるような電解条件で電解することにより現れ,亜鉛の析出電位は鉄族金属の復極の程度に応じて貴な電位に移行するように思われた。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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