研究課題/領域番号 |
02650487
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
内田 裕久 東海大学, 工学部・応用物理学科, 教授 (20147119)
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研究分担者 |
松村 義人 東海大学, 工学部・応用物理学科, 研究員
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キーワード | Niー水素電池 / LaNi系合金 / 水素貯蔵合金 / 反応確率 / 2次電池 / 微粉化 / 電池電極 |
研究概要 |
現在、Niー水素電池と呼ばれる陰極材料としてLaーNi系水素貯蔵合金を用いた、次世代の2次電池の開発が進められている。これを実用化するに際しては、溶液中での酸化・水酸化等の汚染による合金の性能劣化や水素の吸脱サイクルに伴う微粉化など、多くの問題点が残されている。本研究においてはそれら水素貯蔵合金を有機バインダ-等と複合化することによりそれらの問題に対応しようと考えた。この水素貯蔵合金を電池電極として使用する際障害となるのが、充電時の合金表面よりの水素ガスの発生である。この現象は合金の表面状態により大きく左右されるが、これは合金と水素ガスの反応速度の大小によるものと考えられる。本年度においては水素との反応のメカニズムに関する知見を得るため、合金の一部を他の金属で一部置換することにより、それら合金の気相水素との反応速度に関して検討をおこなった。 本研究では、LaNi_5をベ-スとしてAl、Co、Mnを添加した合金を使用した。NiをAlやCoで置換した合金を水素と反応させると、合金の初期活性化が容易にやり、さらにMnで置換した5元系(LaーNiーAlーCoーMn)合金は初期活性化が極めて容易となることがわかった。また、超高真空下においてそれら合金清浄表面の反応性を測定した。Alを添加した合金では、表面に酸化物が存在する場合でも、LaNi_5に酸化物が存在する場合に比べて1000倍以上も反応確率が高いことが分かった。 これらの合金においては水素吸放出の際に、いったん大気に暴露することによって微粉化が加速されるが、Coを添加することにより微粉化を抑制できることが分かった。 これらの結果について1990年度日本金属学会秋季講演大会において発表し、1991年度日本金属学会春期講演大会および1991年度希土類討論会において発表予定である。
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