研究概要 |
微視的表面形状はトライボロジ的観点から見た場合,表面の微細突起部分が工具との接触により平坦化するので,平滑面を基準とし窪みあるいは溝がどのように配置されているかという観点から整理しうる.次に境界接触率が大きな因子と考えられるので2系統各4種類の典型的なパタ-ンのフォトマスクを設計・製作した. 引き続き当研究所が有する既存の設備を利用し,フォトレジストのコ-ト,マスクパタ-ンの露光,現像,定着,加熱処理,エッチング,リンスなどの工程を経て,目的とする微視的表面形状を有する銅板の試験片を作成する条件を確立した. この試験片の2次元(平面)形状を光学方法によりパソコンに取り込み画像技術を応用した処理により,また触針式表面あらさ測定を併用し,負荷にともなう微細表面形状の変化の定量的評価を行う予定である. 通常の摩擦試験機で小型平板試験片の摩擦係数を測定すると荷重が小さいためバルクの塑性変形を伴う塑性加工での摩擦挙動を推定することは難しい.そこで工業的純銅板に関して微視的(10μmから100μmの規模の)2次元表面形状を制御する実験的技術を確立し,トライボロジ特性を評価するため,20kgfまでの垂直荷重を負荷できる小型摩擦摺動試験機を設計・製作した.今後上記試験片を本試験機により評価し新たなトライボロジ-特性を有する微細表面形状を検討する予定である.
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