研究概要 |
地球温暖化の主因とされるCO_2ガスの排出を抑制する方策の一つとしての有効利用が挙げられる.本研究は水素エネルギ-を金属水素化物として安全かつ簡便に貯蔵する方法に関するものであり,新しい水素吸蔵合金を捜し出すことを目的として行なわれた.本年度に得られた主な結果は以下のように要約される. (1)TiーAlーZr,ZrーAlーXおよびRーAlーX型金属間化合物の水素吸蔵特性の測定とと結晶構造の同定 上記のAlを含む金属間化合物(XはMn,Fe,Co,Ni,Cu,Rは希土類金属)から,水素吸蔵特性の優れたものを選び出すために,既知の状態図の検討およびア-ク溶解により新たに作製した金属間化合物の結晶構造の同定を行い,有力な候補を十数種類選び出した.次に,これらを高圧示差熱分析装置および高圧ジ-ベルツ装置により水素吸蔵特性を測定し,さらに結晶構造の同定を行い,水素吸蔵量が1.0(H/M)以上の合金と,水素吸蔵によりアモアルファス化する合金を多数見出した. (2)Hf基金属間化合物の水素吸蔵特性 HfーNi,HfーCoおよびHf基ラ-ベス相の水素吸蔵特性を高圧ジ-ベルツ装置により測定し,水素吸蔵のエントロピ-変化およびエンタルピ-変化などの熱力学的数値を求め,従来の結果と比較検討して,今後の新しい水素吸蔵合金探索の指針が得られた.
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