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1991 年度 実績報告書

高濃度アルミニウムーリチウム基合金の規則相粒子の成長機構と特性

研究課題

研究課題/領域番号 02650513
研究機関東京工業大学

研究代表者

里 達雄  東京工業大学, 工学部, 助教授 (90126318)

キーワードAlーLi合金 / 相分解 / 規則構造 / オストワルド成長 / 粗大化 / 粒子サイズ分布
研究概要

Alー1.80mass%Li(6.65mol%Li)からAlー3.33mass%Li(11.8mol%Li)の組成範囲の4種類の合金について、過飽和固溶体の相分解現象およびδ'相の成長・粗大化について解析を行った。電気抵抗、比熱変化および高分解能電顕観察の結果から、過飽和固溶体の相分解現象は、初めに、一様な規則構造および組成分離の前駆構造が形成され、続いて、δ'相が析出する特異な過程をとることを明らかにした。前駆構造は、Li組成が化学量論組成に至っていない特徴をもつ。一方、AlーLi合金の機械的強度に最も寄与するδ'相の成長・粗大化過程を定量的に解析した。すなわち、種々の温度における析出組織を透過電顕暗視野法で観察し、これらを画像解析法を用いて多数のδ'粒子の平均サイズ、粒子サイズ分布、分散および偏り度を定量的に評価した。その結果、次のことを明らかにした。δ'粒子の成長・粗大化はδ'の体積率によらず3乗則(粒径の3乗が時間に比例する)を満足し、粗大化速度定数は温度の上昇およびδ'の体積率の増加に伴って増大した。また、粗大化速度定数からδ'/母相の界面エネルギ-は約0.2J/m^2と決定した。さらに、平均粒径で規格化したδ'相の粒子サイズ分布は時効初期から時効時間には依存せず一定となることを見出した。また、体積率の増加および時効温度の減少に伴って粒子サイズ分布は負の偏り度を持つ分布から正規分布に近い形に変化し、体積率および時効温度依存性があることを見出した。これらより、任意の組成および時効条件のδ'のサイズおよび分布を予測できた。さらに、粗大化速度定数および粒子サイズ分布を粗大化理論の予測と比較と、AlーLi合金では粒子同士の衝突・合体の効果を考慮したLSEM粗大化理論が最もよく実験結果を説明できることを明らかにした。これらの知見をもとに、AlーLi合金の析出組織を制御し、材料特性を評価できることが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tatsuo Sato: "High Resolution Electron Microsvopy on the Ordered Phase in AlーLi Alloys" International AlーLi Conference. VI. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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