研究概要 |
FeーSiーGeおよびFeーAlーGe3元規則鉄合金の2相分離を透過電子顕微鏡による内部妻細組織観察により調べ、実験状態図を決定した。また、BraggーWilliamsーGorsky(BーWーG)近似に基づいて状態図を計算し、2相分離領域を熱力学的に検討した。FeーSiーGE合金系では(1)823K、873Kで不規則相A2と規則相DO_3との2相分離が、FeーSi、FeーGe各2元系に見られる2相共存領域を結ぶ帯状の組成範囲の中央で生じる,(2)973Kでは、FeーGE2元系の規則相B2とDO_3の2相共存領域からFeーSi2元系に向かって3元系内に帯状に広がって存在する。またA2/B2 2次変態線がFeーSi2元系からFeーGe2元系に向かって存在する,(3)FeーGe2元系にSi数%加えた3元合金では、電子線回折像にB2、DO_3いづれの規則格子回折点も現れない。この現象は、Fe、Si、Ge各原子の電子線に対する原子散乱因子から計算される結晶構造因子の定量的検討から確明できる,ことがわかった。また,FeーAlーGe合金系では、(1)973K、923K及び973Kのいづれの温度においても(A2+DO_3)2相共存領域がFeー14at%Ge付近とFeー24at%Al付近を結ぶ組成域を中心にして存在する,(2)923Kと973KではA2+DO_32相域のFeーAl2元系側の組成域に(B2+DO_3)2相共存領域が存在する,(3)BーWーG近似による計算状態図は実験状態図とほぼ一致する,(4)(A2+DO_3)2相共存領域は、磁気変態線より低温側で強磁性効果による拡張を示す,ことが明らかとなった。
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