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1991 年度 実績報告書

複合組織をもつLl_0型金属間化合物TiAlの強度と靭性

研究課題

研究課題/領域番号 02650521
研究機関九州大学

研究代表者

佐野 毅  九州大学, 工学部, 助手 (70037810)

研究分担者 田 文懐  九州大学, 工学部, 助手 (50223631)
堀田 善治  九州大学, 工学部, 助教授 (20173643)
根本 実  九州大学, 工学部, 教授 (90005265)
キーワードチタンーアルミニウム合金 / 金属間化合物 / 超耐熱合金 / 組織制御 / 時効析出 / 炭化物 / 窒化物 / ペロブスカイト相
研究概要

Ll_0型金属間化合物TiAlは,広い組成範囲と融点近くまで安定な構造をもつBertholide型化合物で,軽量および高い高温強度を示すために,次世代の超耐熱材料の有力な候補の一つとして期待され,室温延性および高温強度の改善をはかる多くの研究が行われてきた.化学量論組成のTiAlにCあるいはNを添加したTiAlを時効析出の手法により組織制御して得られた成果は以下の通りである.
1.asーcast組織(1)第3元素の増加にともない初晶の炭化物,窒化物の量は増加していき,組織は複雑となる.TiAl(γ)とTi_3Al(α_2)の他に第3相としてH相(Ti_2AlC,Ti_2AlN)が存在する.(2)第3相は樹枝状晶中に偏析し,樹枝状晶間のTiAl(γ)中にはみられない.
2.均質化組織(1)再結晶γ等軸晶と層状組織からなる.第3元素の添加量とともに,微細組織になり層状組織も発達する傾向がみられる.(2)層状組織中にはH相が観察されるが,等軸晶中にはみられない.(3)TiAl中へのCおよびNの固溶量は非常に小さく,Cで0.3〜0.5at%,Nでは0.1at%以下であると思われる.
3.時効析出相(1)973〜1173K時効による析出相は,制限視野解析法によりペロヴスカイト相と同定された.(2)第3元素の量が増加してもペロヴスカイト相はさほど増加しない.γ相中へのペロヴスカイトの固溶量は極めて小さく,3元状態図上でのペロヴスカイト相の溶解度曲線は立っているものと予想される.(3)母相γとペロブスカイト型析出相との方位関係は(100)m//(100)p,[001]m//[001]p(pは析出物)である.
4.室温圧縮強度(1)ペロヴスカイト相の析出による室温強度の上昇はあまり期待されない.(2)973K時効における強度はわずかに上昇するが,1073Kおよび1173K時効では,時効時間とともにむしろ強度は低下する傾向を示す.(3)0.5at%Nを添加した合金は0.5at%C添加合金よりも高強度を示す.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Minoru Nemoto: "Microstructure of precipitation strengthened Ni_3Al and TiAl" Materials Science and Engineering,A. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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