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はんだ合金のマイグレ-ションをガラス板を用いて水環境中で検討した結果をまとめると以下のようである。試験はパワ-サプライを用いて一定電圧を印加する短絡時間測定試験とポテンシオスタットを用いて一定速度で電圧(電位)を上昇させる特性試験を採用した。
1.パワ-サプライを使用してPbーSnはんだ合金組成に及ぼす短絡時間の効果を検討した結果、100Pbが最も短絡時間が短く、Snー95〜40Pb(mass%)、Pbー80〜95Sn(masa%)、100Snの順に短絡時間は長くなった。合金組成の短絡時間への影響は、共晶点を境に顕著にみられ、共晶組成(38.1Pbー61.9Sn)よりPb含有量が多くなるとPbのマイグレ-ション挙動に近づいて短絡時間は短くなり、Sn含有量が多くなるとSnのマイグレ-ション挙動に近づいて短絡時間は長くなった。
2.ポテンシオスタットを使用して晃絡特性すなわち電圧および電流ならびに電流増加度を測定した結果、Pb含有量が増加すると発生電圧は減少し、逆にマイグレ-ション発生電流は、Pb有量が増加すると増加した。すなわち、短絡時間の結果と同様にPbによるマイグレ-ションが起こりやすかった。
3.活性剤添加溶液の効果は、リンゴ酸およびアシピン酸の酸性活性添加溶液ではマイグレ-ション発生を促進させる効果があり、モノエタノ-ルアミンおよびトリエタノ-ルアミンの塩基性活性剤添加溶液ではマイグレ-ション発生を防ぐまたは遅らす効果があった。
4.PhーSnはんだのマイグレ-ションによる生成物の分析をしたところ、主成分は主にPbで、Snは樹脂状生成物の枝の先端部や付け根のあたりに付着物の形で球状に析出していた。
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