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1991 年度 実績報告書

高圧雰囲気下における溶接ア-クの安定化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02650532
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

菅 泰雄  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60051900)

キーワード溶接 / 高圧雰囲気 / 磁界 / ア-クの安定化 / 電極消耗 / TIG溶接 / タングステン電極
研究概要

高圧雰囲気下で直接溶接を行うハイパ-バリック溶接では,溶接ア-クが緊縮してその径が細くなり,ア-クの指向性が失なわれてその結果ア-クが不安定となる。また,ア-クの電流密度が増大してその温度が上昇し,TIG溶接等の非消耗電極式溶接法においては,その消毛が問題となっている。そこで,本研究では,ア-クの安定化を図るためにア-ク軸方向に磁界適用し,その効果について検討を加えた。さらに,ア-クの安定性に賦影響を持つ電極消耗現象及びその抑制方法等についても検討を加えた。得られた結果は以下のようにまとめられる。
(1)高圧下のTIGア-クに磁界を適用すると,ア-クの緊縮が緩和され,その径が増大する。その結果ア-クの揺動が抑制されてア-クが安定する。
(2)磁界として交流磁界を適用すると,ア-ク電圧が磁界の周波数に対応した振動する傾が見られるが,ア-クの揺動が抑制されて安定する。なお,直流磁界を適用した場合,溶接ビ-ド形状が左右非対称となる傾向が認められたが,交流磁界を適用した場合は左右対称な溶込みの均一な良好な溶接が得られた。
(3)磁界の交流周波数が20〜500Hzの範囲内では,磁束密度が同一であれば溶接結果に及ぼす周波数の影響は少ない。しかし,周波数の増大と共にコイルが過熱し,同一電流の下で磁束密度が低下するため,実用上は低い周波数の磁界を選定する方が有利である。
(4)電極の消耗量は,雰囲気圧力の上昇及びア-ク電流の増大に伴って著しく増加する。
(5)従来用いられてきたトリウム入りタングステン電極に比べて,ランタナ入りタングステン電極の方が良好な消耗特性を有している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 菅 泰雄: "高圧GTA溶接におけるタングステン電極の消耗に及ぼす添加酸化物の影響" 高温学会誌. 17. 136-145 (1991)

  • [文献書誌] 菅 泰雄: "高圧下におけるTIGア-ク溶接の安定化に及ぼす交流磁界の影響" 溶接学会平成2年度全国大会講演概要集. 47. 98-99 (1990)

  • [文献書誌] 菅 泰雄: "高圧下のGTA溶接におけるタングステン電極の消耗について" 溶接学会平成3年度全国大会講演概要集. 48. 208-209 (1991)

  • [文献書誌] 菅 泰雄: "TIG溶接用電極の温度分布とその消耗について" 溶接学会平成3年度全国大会諸演概要集. 49. 236-237 (1991)

  • [文献書誌] 菅 泰雄(Yasuo SUGA): "The Effect of Magnetic Field on Stabilization of TIG Arc Welding under Hyperbaric Helium Atmosphere" Proceedings of the First International Offshore and Polar Engineering Conference. 325-330 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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