研究課題/領域番号 |
02650554
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
渡邉 裕一 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70220936)
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研究分担者 |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20107551)
岡本 祥一 長岡工業高等専門学校, 学校長 (60087418)
中島 健介 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (70198084)
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キーワード | カルコゲナイドガラス / イオン注入 / フォトド-ピング / 電子物性 |
研究概要 |
平成2年度は主にAsーS、AsーSe系について溶融急冷法によるガラスの作製及びそれらに対する窒素イオン注入を行い、窒素イオン注入の可否を始めとした被注入材料のキャラクタリゼ-ションを行った。その結果、これらの系に対しては窒素イオン注入が因難であることが判明した。この理由として注入後の化合物相として考えられるS、Seの窒素化合物が不安定である事、Asに窒素化物が存在しない事が考えられた。そこで安定に窒素化物を生成するGeを含むカルコゲナイドガラス:GeーS、GeーSe系に対する窒素イオン注入の試みを開始した。Ge系被注入試料は溶融・急冷によるガラス化範囲に制限があるため、これを避けるために現有の蒸着装置に自作のフラッシュ蒸着装置を設置し、薄膜試料の作製を行った。また光学的性質、特に非線形光学効果の測定系を所属研究機関の共同利用設備を用いて設置し、一部試料についてこれを評価した。これによりAsーS系が比較的大きな三次非線形電気感受率を有する事が明らかとなった。 当初計画では不純物添加法としてイオン注入法を、また制御を試みる物性として電導度をそれぞれ限定していた。一方、カルコゲナイドガラスに対する低温での不純物添加法としてはフォトド-ピングが知られており、また、電導度以外に物質の電子構造が直接支配する物性には光学特性が挙げられる。そこでこれら両者をInーSe系について実施し、同系においてAgド-プが可能であり、かつ光学的性質が修飾されえる事を確認した。
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