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1990 年度 実績報告書

動的に酸性点が発現する固体酸触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02650569
研究機関北海道大学

研究代表者

服部 英  北海道大学, 理学部, 助教授 (00000844)

研究分担者 田中 庸裕  京都大学, 工学部, 助手 (70201621)
キーワード酸触媒 / ジルコニア / 骨格異性化 / 水素分子 / プロトン酸
研究概要

硫酸イオン含有ジルコニア担持白金触媒を調整し,ブタンの骨格異性化およびシクロプロパンの開環異性化に対する触媒特性を調べ,IR法により表面性質のキャラクタリゼ-ションを行った。
ブタンは水素存在下では酸触媒である骨格異性化が進行するが,水素の供給を止めると反応が完全に停止する。硫酸イオンを添加しないと,金属触媒に特徴的な水素化分解が進行するが,硫酸イオンの添加により金属触媒の特徴が消失する。シクロプロパンを重水素存在下で反応させると、酸触媒反応である開環異性化によって生成するプロピレンのみが生成し,重水素を1個含有した同位体が多かった。金属触媒に特有な水素化は進行しなかった。
吸着ピリジンのIR測定により表面酸性質を調べると,水素が存在しないときにはほとんどの酸点はルイス型の酸点であるが,水素存在下で,150℃以上に加熱すると,ルイス酸点が減少し,プロトン酸点が増加した。同時に,ルイス酸点の強度も減少した。
これらの結果は,水素分子を起源とするプロトン酸点の発現を示している。即ち,水素分子は白金上で原子状に解離し,担体のジルコニア上にスピルオ-バ-し,強いルイス酸点で電子放出し,自身はプロトンとなる。この様にして生成したプロトンが触媒活性点として作用し,種々の酸触媒反応を促進する。水素分子を除去すると,逆スピルオ-バ-の過程を経て,プロトン酸点が消失する。
担体のジルコニアをチタニアやアルミナに替えると,この様な酸点の動的な発現は見られなかったが,白金をニッケルに替えても同様な現象が観測できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kohki Editani,Jun Konishi,Hideshi Hattori: "Skeletal Isomerization of Hydrocanbons over Zirconium Oxide Promoted by Platinum and Sulfate Ion" Journal of Catalysis. (1991)

  • [文献書誌] Hideshi Hattori,Kohki Editani,Tsunehiro Tanaka,Kuzo Tanabe: "Generation of Molecular Hydrogen Origin Acid Sites on Zirconium Oxide Modified by platinum and sulfate Ion" Proceedings of the First Tokyo Conference on Advanced Catalytic Science and Technology,1990 Tokyo. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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