研究概要 |
1 触媒調整 μーオキソ三核混合金属錯体、Fe^<III>_2M^<II>O(OAc)_6(H_2O)_3(M=Fe,Mg,Zn,Mn,Co,Ni,OAc=CH_3CO_2)の水溶液をSiO_2に含浸し、蒸発乾固した後、空気中773Kで4時間加熱処理して担持触媒を得た。対照触媒としてFe(NO_3)_3の水溶体から同様にして得たものを用いた。これらの触媒を用いて次の反応を行い多核金属錯体を触媒原料とする有効性を検討した。担持率はすべてFe基準で7.8wt%である。 2 1-ブテンの脱水素反応(573K) MがFeに比べ、活性が高いのはMn、Znで、Co、Niでは活性が変わらず、Mgでは全く活性を示さなかった。ブタジエン成生の選択率は、Zn(71%)が最高で、Fe(68%)、Co(67%)、Ni(53%)であった。 3 ブタジエン水素化の(473K) MがFeの時、対照触媒に比べ8倍活性が高く、Mn、Znで4倍であったが、Mgでは0.3倍と活性が低下した。いずれも飽和炭化水素まで至らず、対照触媒が1ーブテン選択率50%以下であるのに対し、多核錯体を用いたものは51ー57%であった。 4 CO酸化反応(473K) MがFeの時、対照触媒より5倍活性が高く、Znでは0.35倍、Mgでは0.3倍であった。Mnは自身がFeに比べはるかに活性が高く、比較できなかった。 5 金属酸化物クラスタ-層間化合物の調整 より高度に多核化した錯体を層間化合物(粘土鉱物、グラファイト)にインタ-カレ-ションした後加熱処理すると、金属酸化物がクラスタ-状となってインタ-カレ-トされた新たな金属酸化物層間化合物をつくることができた。それらによる触媒反応を検討している。
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