研究概要 |
1.EROICAの高信頼度の推算法の確立。 (a)高歪み化合物を含む環式化合物(基礎団)の種類の拡充,(b)化合物命名法ならった,母環の変形(ーa命名法),合成(縮合・架橋・併合)によって,実測値の無い母環の物性値の推算,(c)第2隣接基の効果の記述の拡大,などの新たな処理方法を開発した。また,物性推算の基礎である気相・液相熱力学デ-タ推算法については,ほぼ予定通り進捗した。研究計画に4.を追加したため,蒸気圧・蒸発潜熱の推算法の整備・開発が遅れ,平成3年度に先送りとなる見込みである。 2.デ-タベ-スの更新・拡張. 物性値の単位をSI系に統一した。分配係数のデ-タの追加を除き,更新・拡張は計画通り進行中である。 3.システム・マニュアルの整備. EROICAおよびENCODEについて約200ペ-ジのマニュアルのパソコン入力を行なった。 4.印刷および手書きの化学構造式の自動解読パソコン・システムSP/ICONの構築. 当初計画に追加して,結合関係表入力を大量・迅速に行うためのシステムを構築し,実用化への目処をつけた。元素記号,立体化学修飾,総称的表現などの英数字を含むアナログ情報である化学構造式をイメ-ジ・スキャナ-で入力し,市販のパソコン・ソフト(イメ-ジ入力とベクトル化,英数字認識,化学構造式エディタ-の3種類)と,申請者がFORTRANで作成したパソコン・プログラムとを統合することによって,ディジタル化して結合関係表に変換するものである。このサブシステムは広く情報化学の全分野で利用できるものである。
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