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1990 年度 実績報告書

棒状高分子電解質の分子間相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02650650
研究機関大阪大学

研究代表者

則末 尚志  大阪大学, 理学部, 助教授 (10028227)

研究分担者 佐藤 尚弘  大阪大学, 理学部, 助手 (10196248)
寺本 明夫  大阪大学, 理学部, 教授 (00028151)
キーワード棒状高分子解質 / 分子間相互作用 / 第2ビリアル係数 / ザンサン / 多糖 / 静電的相互作用 / 光散乱 / 浸透圧
研究概要

昨年度に調製した棒状電解質多糖ザンサンのナトリウム塩型試料について25℃の塩化ナトリウム水溶液を溶媒として光散乱と浸透圧測定を行った。本研究の設備備品高感度示差屈折計は光散乱強度決定に必要な比屈折率増分の測定に用いた。電解質多糖カラギナンについても市販試料の分別,精製及び比屈折率増分測定を行ったが,同多糖の塩化ナトリウム水溶液は液晶を形成せず,多量のゲルを含むことが判明したので,当初期待した明確な構造決定は行えなかった.ナトリウム塩ザンサンについて光散乱及び浸透圧実験から得られた新たな知見は以下の通りである.
1.光散乱測定より決定したザンサンの第2ビリアル系数A_2は塩化ナトリウム濃度Csの増加とともに著しく減少する.この減少は,Cs<0.2Mの範囲では,均一円筒棒に対する現在の近似理論で定量的に説明できる.
2.しかしCs<0.2Mでは,理論はA_2をかなり過大評価する.これはVan der Waals型引力の無視による.事実,同分子間引力を考慮してA_2を計算した結果,得られた理論は研究の全塩濃度範囲(0.005Mー1M)にわたって実測のA_2を正確に記述した。
3.静電的分子間相互作用を第2ビリアル項まで考慮し,高次ビリアル項を剛体近似で扱った一種の摂動理論を作った.この理論はCs=0.1Mでのザンサン等方溶液の浸透圧の濃度依存性をほぼ定量的に説明する.現在,異なる塩濃度について浸透圧実験を続行中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 川上 喜久治: "棒状電解質多糖ザンサンの第2ビリアル係数" Polymer Preprints, Japan. 39. 3956-3958 (1990)

  • [文献書誌] Takahiro Sato: "Perturbation Theory of IsotropicーLiquid Crystal Phase Equilibria in Polyelectrolyte Solutions" Physica A.

  • [文献書誌] Kikuji Kawakami: "Second Virial Coefficient for Charged Rods:Sodium Xanthan in Aqueous Sodium Chloride" Macromolecules.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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