研究課題/領域番号 |
02650656
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
高柳 素夫 九州産業大学, 工学部, 教授 (40037643)
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研究分担者 |
植田 茂行 九州産業大学, 工学部, 助手 (90069576)
米光 直志 九州産業大学, 工学部, 助教授 (00069501)
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キーワード | アラミド膜 / 圧電・焦電性 / 圧電歪係数 / ポ-リング / β・緩和 / カルボニル基 / 電析法 |
研究概要 |
1.電析法によって作製したアラミド膜(PPTA膜)は、PPTA結晶内の分子の回転が可能と考えられるβ^*緩和温度領域(230℃付近)でポ-リングを行い、圧電・焦電応答を既に確認していたが、新たに、動的粘弾性測定装置(レオバイブロンII型)にチャ-ジアンプを取付けて、圧電歪係数dの定量的な評価を行った。その結果、ポ-リング温度を230℃とし、ポ-リング電圧60MV/mで20分ポ-リングを行った試料(厚み20μm)ではd=5×10^<ー14>C/Nの圧電率を得た。 2.圧電性の耐熱性を調べた結果、100℃では初期の1/5に低下したが、その後230℃まで一定の圧電率を保持し、それより高温では消失した。また、PPTA膜のX線回折パタ-ンはポ-リングの前後に変化が見られなかった。これは、得られた圧電性が結晶界面などの不規則な部分(非結晶部)のカルボニル双極子の配向によると考えられ、結晶内の双極子の電場による配向は実現していないと考えられる。 3.さらに高温まで保持される圧電性を付与するためには、より高電果でのポ-リングが必要であるが、高温では試料抵抗の減少により、高電界印加が困難であった。このため、今後は試料中の不純物イオンを除去し、ポ-リング条件の最適化をはかる必要性を認めた。 4.焦電性および分極量の定量的な評価を行うために、熱刺激電流の測定を進めている。 5.電析法によるPPTA膜の他に、硫酸溶液から凝固して作製したPPTA膜や溶液キャストにより製膜したポリ(mーフェニレンイソフタルアミド)についても、高電界ポ-リングを施し、圧電性・焦電性の発現を試みる。
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