研究課題/領域番号 |
02650656
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
高柳 素夫 九州産業大学, 工学部, 教授 (40037643)
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研究分担者 |
植田 茂行 九州産業大学, 工学部, 講師 (90069576)
米光 直志 九州産業大学, 工学部, 助教授 (00069501)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | 圧電性高分子 / ポリ(pーフェニレンテレフタルアミド) / 圧電率 / ポ-リング / ポリ(mーフェニレンイソフタルアミド) |
研究概要 |
本研究は、従来評価されてきたフッ素系高分子の圧電性膜よりも、耐熱性のある高分子圧電膜の可能性を探索するところにあった。研究の発想の発端は、高強度・高弾性率、高耐熱性のパラ型アラミドの構造と物性を検討する過程において、ポリ(pーフェニレンテレフタルアミド)(PPTA)が510℃という耐熱性を持ちながら、230℃近傍で結晶内の分子が90゚回転する事実を見出し、この運動に、高温度・高電圧を印加する「ポ-リング」処理を行うならば、アミド基の配向による高温度で作動する高分子圧電膜が実現するものと期待した。従来のフッ素系高分子では、使用限界が120〜150℃であり、ビニリデンシアニドの共重合体でも170℃が限界である。この限界を突破する新機能材料になる得るならば、その意義は大きい。 平成2年度は、PPTAの研究の絞ったが、パラ型アラミドの全トランスの安定な結晶構造が、ポ-リングによる双極子の配向を困難にし、0.05pC/Nという極めて低い圧電率を示すにとどまった。平成3年度においては、結晶性の低いポリ(mーフェニレンテルフタルアミド)(PMIA)を選択した。構造的検討の結果、意外なことには、非結晶部の分子運動をポ-リングに利用することにより0.4pC/Nの圧電率が得られた。この値は300℃でも40%の値を保持することが分かった。これにより高温度における圧電性の保持の目的に接近できた。フッ素ポリマ-並の圧電性を示すには、一軸面配向膜を用いてポ-リング効果をより有効に発現させることである。 研究の過程で、「ス-パ-エンプラ」に属する極性全芳香族ポリマ-になお有望な研究対象のあることも判明した。探索の手を広げつつあることも付言する。
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