研究課題/領域番号 |
02650657
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西 則雄 北海道大学, 理学部, 講師 (70001857)
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研究分担者 |
堤 耀広 北海道大学, 工学部, 教授 (80000884)
戸倉 清一 北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)
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キーワード | 蛋白質機能 / 合成化学的シミュレ-ション / DNA結合蛋白質 / 蛋白質類似物質(プロテノイド) / プロタミン / RNAポリメラ-ゼII / アミノ酸配列 / コンホメ-ション |
研究概要 |
蛋白質構造の特徴的な面を強調あるいは消去したような蛋白質類似物質(プロテノイド)を化学的に合成し、これらの構造や機能を調べる方法論で主としてDNA結合蛋白質をタ-ゲットにその構造-機能関係の研究を進めてきた。 1.魚類精子核中の塩基性蛋白質プロタミンは、その特徴的なアミノ酸配列でDNAに結合し遺伝情報を保護・保存する役割を果している。この蛋白質の分子中央部付近の折れ曲り構造と機能発現メカニズムとの関連を調べるため、この折れ曲り構造付近の化学構造を強調あるいは消去したより単純な(ポリ)ペプチドを数種類合成した。 2.上記(ポリ)ペプチド類のコンホメ-ションをCD及び2次元NMRで調べ、この折れ曲り構造部分に含まれるプロリン残基の意味や役割につき考察した。さらに、これらの(ポリ)ペプチド類のDNA安定化能、DNA凝集能等プロタミン様機能を比較し、プロタミン機能発現機構に関して興味ある知見を得た。 3.DNAからmーRNAへの転写を行うRNAポリメラ-ゼIIの分子中にはーSerーProーThrーSerーProーSerーTyrーのアミノ酸配列が繰り返し現れる部分があり、これの役割やDNAとのかかわり合いが不明である。この点に関する知見を得る事を目的に、このアミノ酸配列を繰り返しもつ、ポリ(SerーProーThrーSerーProーSerーTyr)を合成した。また、この規則配列ポリペプチドのコンホメ-ションに関してもCDを用いて調べ若干の予備的な結果を得た。 当核年度に購入した備品のうちトランスイルミネ-タ-及び電気泳動ゲル撮影やセットはDNAの純度や分子量検定に、また、ミニSDSーPAGE用ミニプロテアンIIスラブセルはペプチド類の純度を調べるのに役立っている。
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