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1992 年度 実績報告書

血液型抗原オリゴ糖鎖を有する生体適合性材料の合成

研究課題

研究課題/領域番号 02650662
研究機関東京工業大学

研究代表者

畑中 研一  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70167584)

キーワード血液型 / 血液型抗原 / オリゴ糖 / 高分子材料 / 生体適合性 / 脱ベンジル化 / 糖転移酵素
研究概要

N-アセチルグルコサミン誘導体と5-メトキシカルボニルペンタノールとをグリコシデーションし、ガラクトシル化、フコシル化を行って、H型抗原オリゴ糖鎖を合成した。さらに、スペーサー末端のメチルエステル部に2-アミノエタノールをエステルアミド交換により導入し、ここで末端水酸基にアクリル酸クロリドを反応させて、重合可能な官能基を有する3糖モノマーを合成した。次に、化学合成したH型糖鎖を有するモノマーを、アクリルアミドやアクリル酸メチルと共重合して、側鎖に血液型オリゴ糖鎖を有するポリマーを合成した。ABO式血液型の抗原オリゴ糖であるH型糖鎖を有するアクリル酸誘導体モノマーを、トリメチルシリル化ヨウ素を用いて脱ベンジル化を試みたが、二重結合の反応や、エステルの分解などが起こり、選択的な脱ベンジル化はできなかった。また、アクリルアミドと3糖モノマーとの共重合体を接触水添により脱ベンジル化を試みた。パラジウム炭素を触媒とし、DMFと水の混合溶媒を用いた時にポリマーの脱ベンジル化が可能であった。今回合成したポリマーは、共重合体の種類やコポリマー組成に応じて脱ベンジル化反応の溶媒組成を変化させることにより、かなりのものについて脱保護できた。本研究結果は、ポリマー中のベンジル基を脱保護した初めての例である。H型糖鎖を有するポリマー中のガラスクトース残基上にA酵素(N-アセチルガラクトサミニトトランスフェラーゼ)を触媒としたN-アセチルガラクトサミン転移の可能性が認められた。このことは、血液型糖鎖を有する人工高分子が生体分子によって認識されたことを示すものであり、血液中の他の生体分子、あるいは細胞などとも相互作用するものではないかと考えられる。したがって、本研究で合成された血液型抗原オリゴ糖鎖を有する高分子は、人工臓器用の抗血栓材料や糖鎖を認識する細胞の培養基質などに応用することが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kenichi Hatanaka: "Synthesis of a New Polymer Containing Blood-Group Antigenic Oligosaccharide Chain" Macromolecules. 26. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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