研究課題/領域番号 |
02650669
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
平山 忠一 熊本大学, 工学部, 教授 (10040429)
|
研究分担者 |
坂田 眞砂代 熊本大学, 工学部, 助手 (60187391)
伊原 博隆 熊本大学, 工学部, 助教授 (10151648)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | エンドトキシン / 百日咳抗原 / ポリ(γーメチルLーグルタメ-ト) / アミノ基 / 細孔径 / アフィニティ / イオン強度 / 選択的吸着除去 |
研究概要 |
医薬,ワクチン原材料からエンドトキシンを除去することを目的として、エンドトキシン選択吸着剤の開発を試みた。マトリックスはポリアミノ酸の一種であるポリ(γーメチルLーグルタメ-ト)(PMLG)の単一成分から成る多孔質球状粒子を用い、グルタミン酸の側鎖にリガンドとしてアミノ基を導入することによって吸着剤を調製した。この吸着剤を用いて、バッチ法およびクロマト法により、百日咳粗精製抗原からのエンドトキシン選択吸着除去について検討した結果を以下に述べる。 i)アミノ化PMLG吸着剤は、百日咳菌培養上清由来エンドトキシンに対して吸着能を有するが、イオン強度が比較的高い条件化(μ=0.2〜0.8)においても高い吸着能を保持した。 ii)PMLG吸着剤にアミノ基を導入することにより、エンドトキシンの吸着能が増し、百日咳抗原に対する疎水的吸着能は低下した。特にアミノ基導入量が3.24meq/gの吸着剤を用いると、エンドトキシン吸着除去率は99%以下、百日咳抗原の回収率は90%以上であった。 iii)アミノ化PMLG吸着剤の最大空孔径を300(糖分子量)以上に制御することにより、百日咳抗原タンパク質の回収率を95%以上に高めることが明らかになった。 iv)カラム法を用いて、アミノ化PMLG吸着剤(アミノ基量:3.2meq/g)のエンドトキシン吸着容量を測定した。その結果、吸着剤1mlのエンドトキシン吸着能は約4.5mg(大腸菌由来エンドトキシン)であった。 以上の結果より、アミノ化PMLG吸着剤は、アフィニティにより、百日咳精製抗原分画からエンドトキシンを選択的に吸着除去することを可能にした。今後は、等電点や疎水性、親水性など性状の異なる種々のタンパク質溶液からのエンドトキシンの選択吸着が可能かどうか、さらに検討が必要である。
|