研究課題/領域番号 |
02650679
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
黒田 千秋 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (80114867)
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研究分担者 |
石田 愈 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10016735)
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キーワード | パイプレスバッチプラント / 自走式反応器 / 自律分散システム / 分散協調問題解決 / 人工知能 / コンピュ-タネットワ-ク / 階層化意思決定法 |
研究概要 |
高機能化学製品の多品種少量生産に柔軟に対処するために設計されたパイプレスバッチプラントを活用するため、自律して知的動作を行う複数ユニットによる分散協調的な運転管理システムを構築することが要望されている。このような目標に耐える知的コンピュ-タシステムを開発し、それを基に自走式反応器や各機能ステ-ションの分散協調管理の仕方を探り、実際にシミュレ-ション実験することを目的とした。前年度補助金で購入したワ-クステ-ションを中核にしてネットワ-ク環境を整えたのにひきつづき、今年度は複数の自走式反応器と複数の各機能ステ-ションの並列的運転を管理するため、各種の動作フロ-の例を想定し、その際に必要になる知識ベ-スを補充した。これらの知識ベ-スは今年度補助金で購入したハ-ドディスク装置に保存され、必要に応じてメッセ-ジ通信により起動される形に整理した。また、多目的生産を上記の分散協調管理方式で行うのに際し、適切なレシピの表現法を探索し、さらにレシピの実行にあたり、ユニット割り当てや動作開始時刻決定などのスケジュ-ルを好適に行っていくための意思決定方法について検討し、次のような結論を得た。 1.静的情報に基づくオリジナルレシピに準動的情報を加味してインスタンスレシピを生成し、さらに動的情報を用いてより具体的な動作状況を実現していく方法を取ることにより、複雑な多目的化学プラントにおいて知識および意思決定の分散と集中のバランスをとることを可能にした。 2.代替ユニットの中から好適な契約ユニットを選択するための意思決定の方法として階層化意思決定法(AHP)を採用し、知的ユニット間の多目的、ゲ-ム的意思決定を動的に行うことにより、パイプレスバッチプラントの生産効率、頑健性、信頼性、柔軟性、適応性といった問題への対処の仕方を示した。
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