研究概要 |
本研究室で開発した,エステルの加水分解反応を用いる液滴まわりの総括物質移動容量係数k_Laの測定法を用いて,先ず,単段翼による液々系撹拌槽貞のk_Laを測定し,他方,顕微鏡とビデオカメラを組み合わせた液滴径測定装置でSauter平均液滴径d_<32>を測定し,これらの結果を組み合わせることにより、液々系撹拌における液滴まわりの物質移動係数k_Lを算出した.求められた物質移動係数は固液系撹拌の場合と同様の相関式で相関できることが確認された.また,ここで定義された代表液滴径d_pは撹拌翼が掃引する体積基準の単位容積当りの撹拌所要動力を用いて良好に相関できることも確認された. つづいて,同種または異種の撹拌翼を2段に備えた撹拌槽において同様な実験を試みた.先ず,種々の条件で撹拌トルクを測定した結果,撹拌所要動力は2つの翼間隙幅によって大きく影響され,翼問隙幅が零,即ち,2つの翼が完全にくっついたとき,最大の撹拌所要動力(単独の翼の撹拌所要動力の和)を示すことが解り,間隙幅を大きくすると撹拌所要動力が減少することが確認された。また,物質移動容量係数k_Laは,単段翼の場合と同様に,撹拌槽の全体積を基準とした単位容積当りの撹拌所要動力で良好に相関できることが確認された.一方,代表液滴径d_pは,単段翼撹拌の場合の相関法では統一的に相関できず,2つの翼の間隙幅の影響も考慮した相関法が必要となることが示唆された.現在は,金網翼や縦長槽についての実験を継続中である.
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