研究課題/領域番号 |
02650693
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
佐野 雄二 山口大学, 工学部, 教授 (10035058)
|
研究分担者 |
小渕 茂寿 山口大学, 工学部, 助手 (30225560)
山本 修一 山口大学, 工学部, 助教授 (80144921)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
キーワード | フイルム / ポリイミド / ポリ塩化ビニ-ル / トリアセテ-ト / 相互拡散係数 / 乾燥 / ナイロンペレット / 吸脱着 |
研究概要 |
高分子溶液を流延し熱風により加熱乾燥しフイルムに成型する工程の解析はこれまで行われてなく、従来、経験的にのみ装置の設計や操作条件の設定がなされてきた。本研究ではこの工程につき工業装置での長さ方向の乾燥条件の変化を時間変化に置き換え、同等の乾燥履歴を与えるBatch式のフイルム乾燥実験装置を製作し、工業装置の乾燥条件を再現し、フイルムの乾燥挙動を実験的に検討すると共にフイルムの吸脱着実験から得られる濃度依存相互拡散係数を用い、フイルム乾燥工程をシミュレ-トする計算プログラムを作成し、次の二つの系につき検討した。 1、ポリ塩化ビニ-ルーテトラヒドロフラン系 Batch式実験装置による乾燥挙動を熱風温度一定の場合及び工業装置で考えられる熱風温度の相当時間分布を与えた場合の両者につき測定した。また、フイルム吸脱着実験より得られた活量ー濃度の平衡関係及び相互拡散係数の温度および濃度についての実験式をシミュレ-ションプログラムに適用し計算した。両者の結果はほぼ一致した。熱風温度が高い場合の発泡現象についてはなお検討中である。 2、ポリイミドージメチルアセトアミド系 ポリイミドポリマ-としてカブトン及びユ-ピレックスSにつき、乾燥過程でのイミド化反応を促進する触媒を入れた場合と入れない場合(熱イミド化のみ)の乾燥速度への影響を検討した。触媒の有無による差は明確に出なかったが、同一溶媒を用いた場合のポリマ-の差は明確に現れ、カブトンの方が速い乾燥速度を示した。また、熱機械試験機によるヤング率の測定結果は触媒の有無で明確な差は見られず、カブトンの方が低い値を示した。 その他、ナイロンペレットの乾燥挙動、及び、拡散係数の濃度依存性がべき乗型の関数で表される場合の簡便な算出法を得た。
|