研究課題/領域番号 |
02650694
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 泰弘 九州大学, 工学部, 教授 (00037730)
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研究分担者 |
天田 次雄 九州大学, 工学部, 助手 (10180093)
高尾 征治 九州大学, 工学部, 助手 (10037898)
小森 悟 九州大学, 工学部, 助教授 (60127082)
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キーワード | ロ-ルミル / 高粘性流体 / 超微粒子 / 粉砕 / 混練 |
研究概要 |
湿式ロ-ルミルは、凝集状態にある超微粒子を含む高粘性流体(ペ-スト)をロ-ル間の狭い間隙に巻き込んで粒子の凝集状態をはずし、高粘性流体と粉砕・混練するための分散機であり、先端材料の製造工程に広く用いられている。従来のロ-ルミルでは、ロ-ル間隙調整などの運転操作が経験的に行われているため、微粒子の均一な分散状態を効率よく得ることができず、処理に多大な時間を要した。そこで、本研究では、ロ-ル間隙に生じるロ-ルの回転による高粘性流体の循環流が未分散粒子のロ-ル間間隙通過を妨げる(間隙流体中での粒子の蓄積を促進する)ことが、分散粒子の均一化、ロ-ルミル運転の連続自動化への障壁となることに着眼し、この循環流自体を制御し、未分散粒子の蓄積を防止する方法を流体力学的観点から見いだすことにより、最も単純な二本ロ-ルミルの効率的分散と連続自動化を可能にすることを目的としている。第1年度である本年度は、小型の二本ロ-ルミル実験装置を製作し、そのロ-ル間隙に微粒子を混入させた水飴水溶液を流入させ、間隙に保持される流体(バンクと呼ぶ)中の流動機構をレ-ザ・スリット光を用いた流れの可視化、及び、粒子運動速度の測定により解明した。また、バンク内流動を流体力学的に制御する方法を考案するには、種々の境界条件に対するバンク内流動の変化を知ることが必要であるので、有限要素法による層流ナビア・スト-クス式の解を数値計算するアルゴリズムを完成させ、実測値と比較した。この結果、バンク内の流体の循環流が粒子の粉砕・混練に悪影響を与えることが明らかになった。また、この循環流の発生を防止するためには、ロ-ル表面の回転部を薄いシ-ト状の構造物で覆う方法がベストであることが明らかになり、この技術を開発した。
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