研究概要 |
1.イネ品種「しおかり」と7種の矮性準同質遺伝子系統を用いて,出穂日および出穂後5日と10日目の上位2節間の抽出液中のパ-オキシダ-ゼ活性をグアイヤコ-ルを基質として調べた。その結果,いずれの時期でも矮性系統は「しおかり」より活性が高い傾向が認められ,さくにShーd_1,Shーd_<18>h_<>およびShーd_<13>の活性は著しく高かった。また,パ-オキシだ-ゼアイソザイムを分析したところ,これら3系統は全体または特定のバンドが顕著に濃かった。2.「しおかり」とShーd_1および「台中65号」とT65ーd_1から可容性タンパク質を抽出し,硫安分画した後にSDAーPAGEを行ったところ,遺伝的背景の異なる系統間では特異的なバンドが存在した。しかし,同質遺伝子系統内ではバンドパタ-ンに測瞭な差異が認められなかった。3.「しおかり」と5種の矮性準同質遺伝子系統用いて,第7葉期の植物体におけるIAA含量を高速液体クロマトグラフィ-で測定したところShーd_1,Shーd_<18>^hなどで含量が少なく,逆に,多けつ矮性のShーd_<3,4,5>で多い傾向が認められた。4.「しおかり」と7種の矮性準同質遺伝子系統の幼苗からDNAを抽出し,M13ファ-ジDNAをプロ-ブとするフィンガ-プリント法および10ーmerのプライマ-を用いたRandom Amplified Polymorphic DNA(RAPD)マ-カ-法により,矮性系統に特異的なDNAマ-カ-の検出を試みた。その結果,「しおかり」と異なるDNA断片を有する矮性系統がいくつか見いだされた。しかし,本実験によっては,矮性遺伝子と連鎖するDNAマ-カ-は検出できなかった。
|