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1990 年度 実績報告書

細胞質特異性を有する核遺伝子の単離とその機能に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660007
研究機関岡山大学

研究代表者

村田 稔  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20166292)

キーワード核・細胞質相互作用 / ゲノミック・サブトラクション法 / コムギ / 染色体特異的塩基配列 / Midget染色体 / ライムギ
研究概要

1.研究の目的と計画:ライムギ細胞質を有する六倍性コムギChinese Spring(CS)((cereale)ーCSと略す)には,ライムギ由来と考えられる非常に小型の染色体ー“Mideget"と呼ばれるーが1個または1対存在する。この染色体には,ライムギの細胞質と相互に作用し,細胞質の機能を維持するなんらかの遺伝子が存在することが考えられている。本研究では,このmidget染色体の構造・機能を及びその特異的遺伝子を調べるために,ゲノミック・サブトラクション法によるmiget染色体特異的DNAのクロ-ニングを行った。
2.研究結果:Mbo Iを用いたゲノミック・サブトラクション・ライブラリ-を作製し,158のクロ-ンについて調べた結果,16のクロ-ンに400bp以上の挿入断片が認められた。サザン,ドット・ブロット・ハイブリダイゼイション法で調べたところ,そのうちの13個は,すべて同じ反復配列であった。しかし,残りの3クロ-ンはライムギ,(cereale)ーCSのDNAと特異的にハイブリダイズすることが示された。クロ-ン化された断片は,それぞれ異なったサイズ,制限酵素認識部位をもっており,その起源を異にしていると考えられた。これらの由来を検定するために,挿入断片をプロ-ブとし,コムギのライムギ染色体添加系統(コムギにライムギの特定染色体を一対添加した7系統)から抽出したDNAに対してドット・ブロット・ハイブリダイゼイションを行った。その結果,ひとつのクロ-ンは,ライムギの5R染色体由来,もうひとつのクロ-ンは,ライムギ染色体のほとんどに共通な塩基配列であった。最後のクロ-ンは,ライムギの葉緑体DNA由来であったが,特定遺伝子をコ-ドしていることがわかっている。先の2つのクロ-ン化配列については,染色体構造を維持するなんらかの働きをもっていること可能性が示唆されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 村田 稔: "ライムギmidget染色体遺伝子の解析.II.クロ-ニングされたライムギ特異的塩基配列の起源について" 育種学雑誌. 40(別1). 426-427 (1990)

  • [文献書誌] 村田 稔: "植物における染色体特異的DNAのクロ-ニング" 細胞. 23. 7-10 (1991)

  • [文献書誌] 村田 稔: "ライムギmidget染色体遺伝子の解析.III.In situハイブリダイゼイションによる解析" 育種学雑誌. 41(別1). (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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