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1991 年度 実績報告書

植物遺伝資源としての遺伝質の最適採集方式に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660008
研究機関京都産業大学

研究代表者

米澤 勝衛  京都産業大学, 工学部, 教授 (90026542)

研究分担者 野村 哲郎  京都産業大学, 工学部, 講師 (50189437)
森島 啓子  国立遺伝学研究所, 応用遺伝部, 教授 (70000247)
キーワード植物集団 / 遺伝構造 / 遺伝資源 / 採集方法
研究概要

固着性であるため集団内の遺伝子流動が制約されている植物においては,集団を構成する個体の分布の形や密度などが集団の遺伝構造や遺伝的分化の程度や方向に大きな影響を与えるものと予測される。本年度は,個体密度が中心部から周縁部に向って次第に減少する一次元集団を前提として,自殖志向型遺伝子型(他個体からの飛来花粉量が少なくても十分高い稔性を達成する遺伝子型)と他殖志向型遺伝子型(他個体からの花粉量が少ないと稔性が著しく低下する遺伝子型)が,はじめの均等に分布する状態から,十分多くの世代を経た後の平衡状態でどのような分布をとるに至るかを決定論的に解析し,以下の知見を得た。
1)平衡時の集団の遺伝構造は,モデルにとり入れた変数の値の組合せによって、大きくいえば4つのタイプ,すなわち,他殖志向型遺伝子型が全体を占める場合,他殖志向型と自殖志向型が混在する場合,他殖志向型が中心部に自殖志向型が周縁部に住み分け的に共存する場合,および,自殖志向型が全体を占める場合に分けられる。
2)花粉の拡散距離は上記伝構造の違いに決定的な影響を与えるが,種子拡散の影響は比較的軽微である。
3)集団の大きさ(個体数)は,個体の分布形状と並んで,上記遺伝構造のタイプの違いをもたらす要因の1つである。このことは,植物集団においては集団の大きさは,ランダムドリフトだけでなく,定向的な遺伝的変化・進化の決定要因としても作用することを示す。
遺伝構造の決め手となる個々の変数の作用,および変数間の仂き合いの詳細については,次年度において順次明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 米澤 勝衛,野村 哲郎: "分離と他殖が存在する場合の選抜精度改善方策の効率について" 育種学雑誌. 41,別1. 258-259 (1991)

  • [文献書誌] 米澤 勝衛,野村 哲郎,田中 嘉成,森島 啓子: "植物集団における遺伝的周縁効果の発生について" 育種学雑誌. 41,別2. 26-27 (1991)

  • [文献書誌] 米澤 勝衛: "植物育種における人為選抜方法の研究" 遺伝. 46. 36-41 (1992)

  • [文献書誌] 米澤 勝衛: "植物集団における遺伝的分化の発生機序について" 京都産業大学論集,自然科学系列,II. 2. (1992)

  • [文献書誌] 米澤 勝衛: "保全生物学の展開" 大学時報. 216. 100-107 (1991)

  • [文献書誌] 米澤 勝衛,中野 淳一,田中 修,遠藤 隆,吉田 真,山岸 博: "現代生物学通論" 学術出版図書, 250 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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