研究概要 |
京都府立大学所蔵の258品種・系統について圃場試験によってスクリ-ニングを行った。そのうち、50品種・系統について播種から苗立ちに至までを経時的に調査し、苗立ち指数(低温条件下苗立ち率/適温条件下苗立ち率)が最も低下する時期によってに3群に大別した。1葉抽出個体の3葉抽出個体の割合(3/1)の低下の小さい品種群は最終的な苗立ち率の低下も小さかった。3/1は低温苗立ち性の品種間差異を左右する重要な要素であることを明らかにした。3/1の低下しにくい6品種を見出した(Kaeu17,Sakuzairei,ArroyeーTewa,Itaricalivorno,Alvorio J_1,Japonais)。Sakuzairei,ArroyeーTewaの2品種は極めて低下しにくいものであったが、従来の初期伸長性による室内検定ではそれらの選抜は困難であり、初期発根性の検定が必要であった。室内検定は次のように行った。ガラス容器(高さ15cm、幅25cm、厚さ1.5cm)の寒天培地に10粒づつ播種し、室内で14日間培養後、苗形質を調査した。初期伸長性=草丈、初期発根性=(種子根:根長×1)+(鞘葉節根:根長×根数)で示した。この方法による初期伸長性の室内検定は発根過程を常に観察できる点で優れているが、測定がやや煩雑である。より簡易で精度の高い検定方法について引き続き検討中であるが。
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