北方圏都市においては冬期の積雪や寒冷な気候などによって、戸外レクリエ-ション需要や公園緑地需要に大きな特徴がある。本研究はこれらの公園緑地計画の基礎になる諸特性を明らかにし、計画課題を整理する事を目的にしている。 本年度は、1)冬期の戸外遊びと公園利用に関する調査、2)都心のオ-プンスペ-ス利用特性調査、3)北欧及び国内における関連資料の収集などを行った。結果の概要は次のようである。 1)札幌市における小学2年と5年生児童が週に3日以上戸外で遊ぶ比率は秋期82%から冬期52%に減少する。また行動圏も短くなり、遊び場に占める公園の比率は41%から17%に著しく減少している。しかし、観察調査によると、一部の公園ではかなり高い利用もみられ、施設や立地の重要性を示唆している。また、戸外遊びの度合は父兄の遊びに対する態度にも強く影響されていることを明らかにした。 2)戸外の休養スペ-スの季節別利用形態と微気象を札幌市の都心に位置する大通り公園において調べ、季節による利用数の変化や気温及び日照条件による芝生やベンチの選択性を明らかにした。今後は初春や晩秋期における利用傾向をより詳しく調査し、利用向上のための対策を検討したい。 3)北欧都市については公園配置や広大な緑地システムの現況、クロスカントリ-コ-スその他のレクリエ-ション施設の充実などを明らかにした。今後は国内及びカナダの事例について調査分折を続ける予定である。
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