研究概要 |
都心広場の例として,札幌市大通り公園内広場の利用を取り上げ、気象との関係を調査し、次のような結果を得た。 季節毎の利用をみると、春季が最も徹気象との関係が強く、特に平日では日射の影響が大であった。夏季もある程度の相関はみられたが、春季ほど強くはなく、秋季では、平日よりも休日の利用と実効温度との関係が強い傾向が示された。季節を通して、実効温度が10(℃)程度から急激に利用が増加する傾向が明らかとなった。 緑地の風景写真を用いた心理テストによって、針葉樹林、落葉樹林、芝制地などのイメ-ジが季節によってどのように変化するかを調べた。 その結果、冬季は一般に好感性や親しみ感が減少する傾向にあるが,中には積雪が自然感を高めより好まれる例もみられた。落葉樹林の落葉期は明るさや広さを感じさせるが、緑地周辺の建築物等が目立つようになると自然イメ-ジを低下させ全体評価も低下する場合が少なくなかった。また、周囲の樹林や芝生と調和した園路の存在は視線を誘導し、好感性や利用志向を高めていた。 冬季の戸外遊び場について、積雪地域の札幌市と比較するため、室積地の苫小牧市を取り上げ小学2年と5年生を対象にアンケ-ト調査を行った。 その結果は、両市ともほヾ類似した外戸遊び状況であることを示していたが、一部積雪の多少によると考えられる、遊び内容や遊び場に対する不満等の相違が見い出された。 研究成果を、1)冬期レクリエ-ション需要と気象条件、2)子供の冬期戸外遊び場、3)都・広場の利用と気象条件,4)住宅地における街路景観と緑、5)緑地イメ-ジの季節性、6)海外北方圏都市の公園緑地特性に分けて整理した。
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