研究課題/領域番号 |
02660020
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原田 隆 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001457)
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研究分担者 |
鈴木 卓 北海道大学, 農学部, 助手 (30196836)
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キーワード | 遺伝子源凍結保存 / アスパラガス / ジャガイモ / DMSO濃度 / ソルビト-ル / 遊離アミノ酸 / プロリン / アルギニン |
研究概要 |
1.アスパラズス培養体茎節部切片の凍結保存を行うと、融解後の植物体再生培養において発根率が高くなり、特に超低温下(液体窒素中)で凍結した場合は発根率が高くなる(70%以上)と同時に、その後の個体再生に適する貯蔵根 白色根の形成率が高い値(67%)を示した。 2.アスパラガス培養体茎節部切片を凍結融解したのち組織学的観察を行った。生存細胞は、Paragon染色液によって細胞貭が濃く染色され、凍死した細胞と明確に区別することができた。凍死した細胞の葉緑体では膜構造が破壊されていた。生存細胞では、細胞貭にミトコンドリアが多数認められることや、小胞体とゴルジ体が発達していることから、充実し活力に富んだ細胞であると考えられる。 3.凍結・融解後のアスパラガス培養体茎節部切片の生存・生長に及ぼす凍結媒液中のDMSO及び糖類の影響について調べた。凍結媒液にDMSOのみを添加した場合には12%が至適濃度であった。DMSOにソルビト-ル0.2Mを組み合わせて添加したときシュ-ト形成率80%以上、発根率50%以上となった。 4.凍結・融解後の生存と関連があると思われる遊離アミノ酸及び糖含量について、アスパラガス培養体茎組織を用いて調べた。17種類のアミノ酸が含まれており、いずれも節間部よりも節部において多く含まれ、特に節部では凍結生存性と関連のあるプロリン及びアルギニンが多く含まれていた。 5.液体窒素中で凍結したジャガイモ培養体茎切片からの植物体再生について‘農林1号'を用いて検討した。スクロ-ス0.4Mを添加した培地で前培養を行い、ソルビト-ル0.4Mを添加した凍結媒液を用いた場合に生存率25%となり、従来より高い生存率が得られた。これは、やや高濃度の糖を用いたため組織が適度に脱水されたことによると思われる。
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