1.アスパラガス(Asparagus officinalis L.)培養体茎切片からの発根に及ぼす凍結処理の影響:貯蔵根様白色根の形成に対する促進効果は無凍結または-20℃以上の凍結ではほとんどみられないが液体窒素凍結(超低温凍結)を行うと顕著に現れた。 2.液体窒素凍結・融解・培養後のアスパラガス培養体茎節部切片の組織学的観察:生存細胞はParagon染色体によって細胞質が濃く染色され、凍死した細胞と明確に区別することができた。液芽のド-ム状組織並びに擬葉をもっている切片では、擬葉の表層部及び中心部の緻密な細胞が生存していることがわかった。 3.液体窒素中で凍結したアスパラガス節部切片の生存・生長に及ぼす凍結媒液中のDMSO及び糖類の影響:凍結媒液中に糖類を添加せずDMSOのみを添加した場合DMSOは12%で至適となり、8〜16%の範囲で生存率70%前後の高い値が得られた。ソルビト-ルを添加した区ではさらに生存率が高くなり、DMSOの適濃度域は4〜20%と広くなった。ソルビト-ルの適濃度は0.3Mであることがわかった。 4.アスパラガス培養体シュ-トの節部及び節間部における遊離アミノ酸及び糖含量の差異:検出されたアミノ酸はいずれの組織においても17種であった。すべてのアミノ酸の含量が、節間部より節部において高かった。検出できた糖はブドウ糖、果糖及びショ糖であり、いずれの糖も節間部より節部において多かった。 5.液体窒素中で凍結したジャガイモ培養体茎切片からの植物体再生:品種農林1号の茎頂を用い、スクロ-ス0.4Mを添加した培地で前培養を行って、凍結媒液にDMSO5%及びソルビト-ル0.4Mを添加する液体窒素凍結・融解後25%の生存率が得られ、大部分がシュ-トを形成し発根した。
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