1、メロンの葉に ^<14>CO_2を施与して光合成させ、果実への ^<14>Cの分配率を調査したところ、主茎上の葉の位置の影響は認められなかった。次に、主茎の各節間を1本の維管束を含むように縦に分割し、それぞれの組織の ^<14>Cの分配率を時間を追って測定した結果から、メロンの主茎内では、光合成産物は維管束から維管束へ容易に移行するものと推定された。次に、メロン及びキュウリの葉に ^<14>CO_2を施与して果実に至る転流経路に添った各部位に含まれる糖を同定し、 ^<14>CO_2施与後の時間を追ってそれぞれの糖区分に分配された ^<14>Cを分離定量した結果から、ウリ類の一次転流物質であるラフィノ-スを含む少糖類が転流経路に添った組織中及び周辺組織において分解され、一、二糖類に変わる可能性が示唆された。 2、ブドウ品種'デラウェア'と'コンコ-ド'の満開後2ー3週間の結果枝を用いて、単葉に ^<14>CO_2を施与して光合成させ、葉から果房に至る光合成産物の転流経路に添って葉身、葉柄、茎の皮部、果軸及び果実を採取し、各糖区分への ^<14>Cの分配を調査したところ、'デラウェア'の葉柄や茎ではsucrose区分の ^<14>Cは26%以下であったが、'コンコ-ド'では58ー64%に達した。しかし、果軸及び果実では両品種ともsucrose区分の ^<14>Cは7%以下であった。以上のことから、一次転流物質には品種間差があり、必ずしもsucroseとは限らないこと、及び上記の2品種では茎から果軸へ移行する間にsucroseは分解されて単糖類になる可能性が示唆された。 3、セイヨウナシ'ラ・フランス'の収穫適期の判定と予測を目的として、簡易指標の作成を模索した結果、果実断面のヨ-ド・デンプン反応の濃度と色調及びその消失速度が果実の収穫適期を判定する指標として利用が可能であると考えられた。今後は果実の成熟生理についての基礎的な研究と具体的な指標の作成が必要である。
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