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1991 年度 実績報告書

シロカイガラム科における介殻形成の系統進化

研究課題

研究課題/領域番号 02660039
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 貞夫  北海道大学, 農学部, 教授 (70001427)

キーワードシロカイガラムシ科 / Conchaspididae / 介殻被覆 / 走査電子顕微鏡
研究概要

1。平成2年度に開始したConchaspididaeとシロカイガラムシ科の介殻被覆の走査電子顕微鏡による比較研究を完成し、印刷発表した。この研究によってシロカイガラムシ科の介殻が、分泌されたワックス・フィラメントを破壊・断片化しないで使う方向に進化したことに特色があり、このことが虫体の振子運動さらには回転運動によって介殻の形状に幅広い多様性を生じさせ、この科の進化的成功の一因になっているとともに、この科が多数の園芸・林業害虫を生じさせている背景となっている、と結論された。対照的にConchaspididaeではワックス・フィラメントが断片化されてコンクリ-トを作る際の砕石のように使用されること、セメントに相当するものがアモルファスな肛門由来物質であること、この結果介殻の形状に変化が乏しく、これが貧弱な種分化の一因であり、また、この科が応用上の重要性を欠いている背景であることが明かとなった。
2。アジアにおけるアフリカ関連属の一つのSclopetapisの巨視的に特異な介殻の構造を電子顕微鏡で観察した。この介殻はほとんど不動の虫体がおびただしいワックス・シリンダ-を四方に放出することによって形成される。この点でこの属は極度に原始的であると見なし得るが、虫体の形質はこの見解を支持しない。この属がシロカイガラムシ科の放散の遺存形態であるとし、この科の成功が介殻形成についておこなわれた初期試行錯誤の結果であるであることを示すものとして近く印刷発表の予定である。
3。比較的原始的な虫体形質を示す2つの亜族について、介殻構造の電子顕微鏡による研究を開始した。この研究は次年度に継続する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takagi,Sadao: "A contribution to conchaspidid systematics(Homoptera:Coccoidea)" Insecta Matsumurana New Series. 46. 1-71 (1992)

  • [文献書誌] Takagi,Sadao: "Two AsioーAfrican genera of scale insects and their taxonomic positions(Homoptera:Coccoidea:Diaspididae)"

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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